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●スタートまでに雨はほとんど上がりましたが、路面はまだびしょ濡れ。選手はそれぞれのスタート位置に着いて、競技役員にサドルを支えてもらい待機します。パリンヤはハンドルから不用意に手を離したところ、いきなりフォークが切れ込んでコケそうになり、「うおーっ」という悲鳴がスタートラインにこだましました。そんな選手の優勝、予想しろったって、無理っつうもんです。しかし、結果から判断すると、集中を欠いていたのではなく、いい意味でリラックスしていたってことでしょうか |
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●333mのトラックを48周、8人の選手の戦いがスタート。ポイント周回はゴールを含め6周ごとに全部で8回。各ポイント周回ごとに1位通過=5点、2位=3点、3位=2点、4位=1点、逃げて主集団をラップするとその選手に20点のポイントが与えられ、主集団から一周回遅れになると−20点(それ以上後れるとアウト)。その合計得点で勝敗を競います。同点の場合はゴールの着順で順位を決定。路面は水はけがよく、すぐにバンクの上部から乾き始めました |
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●このときのパリンヤに、二十数分後の自分を想像できたでしょうか? 誰もが思い浮かべていた優勝候補は、まず、シドニー五輪代表にもなったこの種目のエキスパート、森本朱美選手(ラバネロ)、今年の全アマ・ポイント覇者、松永舞美選手(法政大学)、そしてスーパー女子高生、萩原麻由子選手(伊勢崎女子高校)… |
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●監督は第一コーナーに陣取り、位置取りやスパートのタイミング、先頭交代の指示を飛ばします |
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●最初のポイント周回、1位は、個抜に続き二種目制覇を狙う萩原選手。パリンヤは2位通過 |
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●幸先よくポイントを獲得したパリンヤ。バンクの上側を行くのは優勝候補の一角、松永選手。後ろは和田見里美選手(倉吉東高校) |
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●序盤、森本選手(中央)は、ほとんど動きを見せません。監督は「脚をためて、逃げをうって勝つ気でいるな」と判断 |
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●二回目のポイント周回は無得点に終わったパリンヤ、三回目に向けて監督から授けられた作戦を実行する機会をうかがいます |
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●ポイント周回が迫り、牽制が始まったところで、ジャンが鳴る直前から一気にダッシュ |
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●意表をつかれた他の選手を尻目にまるまる一周を逃げ切って、 |
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●作戦は見事に成功、初の5ポイントをゲット |
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●と、突如、森本選手が動きます。猛烈なスピードでエスケープ |
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●集団はあわてて森本選手を追い、二、三周でなんとか捕捉 |
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●四回目のポイント周回も、パリンヤが1位獲得。「今日はいったい、どうしちゃったの?」このとき初めて「優勝」の二文字が監督の頭の片隅をよぎります |
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●このあたりから余裕さえ漂い出す、パリンヤの本日の走り |
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●またも逃げをうつ森本選手。たとえラップできなくとも、繰り返し揺さぶれば、他の選手の脚にはボディブローのように効いてくるはず…よほど自信がないと怖くて出来ない作戦 |
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●森本選手の術中にはまってきているのか、反応が鈍くなってきている集団。脚がいっぱいの選手を見極めてその後ろを避けないと、アタックがかかったときに素早く踏み出せません。位置取りがますます重要になってきました |
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●青木千江子選手(育英短期大学)が五回目のポイント周回を1位通過。レースはいよいよ終盤に突入 |
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