さすがオリンピック・イヤーというべきか、今年はシーズン開幕前から輪界もヒートアップ気味、…といってもメダルの期待が大いに高まったというようなことではなく、オリンピック代表選考にからむごたごたであることは、多くの方々が、すでに新聞報道などでご存じのことと思います。
2月下旬、アテネ・オリンピック自転車ロードおよびトラック競技の女子代表選手選考基準が不公正であるとして、女子ロード選手が日本スポーツ仲裁機構(JSAA)に申し立てを行ないました。
「日本自転車競技連盟が今年1月に発表した選考基準では、女子のロードおよびトラック競技は国内の選考レースを行なわず、ロードはUCIポイント、トラックは世界選手権等の結果においてオリンピック出場枠を獲得した選手をそのまま代表とするとなっている。この基準では特定の選手がほぼ自動的に選出されることになり、選考会が行なわれる男子ロード、男女MTBと比較して公正さを欠く。女子選手代表選考に関しても、従来通り国内選考レース(通例はオリンピック・イヤーの全日本選手権)を開催せよ」というのが、新聞報道等からまとめてみた申し立ての主旨です。
JSAAはこの申し立てを受理しましたが、車連は仲裁そのものを拒否。女子ロード選手の申し立ては日の目を見ぬまま葬られました。大々的に報道された以上、仲裁は、車連側にとっても一般に向けて正当性を主張するには絶好の場であったはずですが、筆者が知り得た車連側反論は、新聞記事中の「選考基準はすでに発表済み。申し立て人の言っていることはよくわからない」といったものだけです。仲裁拒否は「勝ち目がないから逃げた」ととられても仕方ない面があります。
また、仲裁申し立ての報道と前後して、本年度全日本選手権女子ロードの日程が、きちんとしたアナウンスもないまま4月30日から5月1日に突如変更になりました。後日、車連のウェブサイトとは全く別の自転車競技情報サイトで、変更は会場と審判招請上の都合と報じられているのを見ました。しかし、ネット上では、女子の全日本選手権を4月30日に開催してしまうと、UCIポイントの計算上、本来確保出来たはずのオリンピック出場枠を失う可能性がある、日程作成で車連はミスを犯しているのではないか、という情報が飛び交っていました。仲裁不成立のため、JSAAが申し立て内容を一切公開していないので、正確な情報かどうかわかりませんが、申し立てはこの点も指摘していたようです。
女子ロード代表選考に関しては、車連基準そのものが元々あいまいです。春先の海外レースで、日本の女子選手はUCIのロード国別ランキング20位となるポイントを獲得しました(2月29日現在)。この順位をオリンピック出場枠が確定する4月30日まで維持出来れば、国別ランキングによるオリンピック出場枠2(国別ランキング22位以下だが個人ランキング100位以内の選手を抱える国が複数あれば出場枠1)を獲得できます。しかし、国別ランキングは、個人ポイントの合計ですから、車連基準(本年4月30日時点のUCIポイントランキングでオリンピック出場枠を獲得した者を選考する=@国別ランキング21位以内、A個人ランキング100以内)では、国別ランキングで獲得した出場枠の選考方法が不明確なままです。複数の選手の中から誰をどのように選考するのか…?
前置きがすっかり長くなってしまいました(ことの成り行きは、焦点の全日本選手権リポートでも触れたいと思います)。もやもやが晴れぬまま、メインイベントの全日本選手権は例年より2ヶ月も早まるため、選手は早めに始動しなければなりません。
パリンヤも、いつもは出場しないウィンターロード(2月末)で、一緒に参加したGSドマーニのスワさん共々氷雨に打たれつつシーズン・イン。今回の都ロードが二戦目です。あくまで調整レースということで、パリンヤ以外は全員男子選手のBクラスに出走しました。一周のラップタイム9分台が目安となるクラスです。目標は6周1時間1分以内。1時間を切れたら大したもの…。
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●雨に凍えたウィンターロードとはうって変わり、絶好のレース日和。40人近い男子選手に混じってスタート |
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●2周回目までは先頭集団に混じり、 |
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●9分台前半のラップタイムを記録 |
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●3周回目、先頭から切れ、3人の男子選手とともに集団を形成 |
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●懸命に走り続けますが、 |
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●ラップタイムは10分台後半までずるずると後退 |
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●それでも、ともに集団を形成した男子選手からは切れることなく最終周回に突入 |
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●1時間1分5秒でゴール。惜しくも目標タイムに届かず。出場37人中、25位でした |
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