第71回 全日本アマチュア自転車競技選手権大会
 トラックレース

(5月18・19日、大宮競輪場・周長500m) Text&Photo ヤブ イヌヲ

村中、女子個抜き3位入賞。タイムは参加選手中ベストをマーク

 おかまパワー炸裂!と掲示板にて既報のように、千葉医療専門学校キヨの村中<パリンヤ>恵美子選手が、本年度の全アマ選手権トラック競技・女子3000m個人追い抜き種目で3位に入賞しました。
 2人の選手がそれぞれトラックのホームストレッチ、バックストレッチから同時にスタート、どちらかが相手を追い抜くか、3000mを走りきったタイムで勝敗を決する女子個人追い抜き競技には、全国から10選手がエントリー。18日午前に行なわれた予選ではタイムの上位4人が午後の準決勝に進みます。開始直前まで降り続いた雨で、予選のコース状態はウェット。路面抵抗が大きく、条件が良いとはいえません。各選手、タイムが伸び悩みました。パリンヤ初戦の相手は奇しくも毎年ツール・ド・東北で夏季限定チームメイトとなる愛媛の小野山恵美選手(C.Sウメザワ所属)。ますます少年らしさ?が増した小野山選手は、充実の太股で1000m通過のベストタイムを叩き出しますが、その後失速。パリンヤは時々タイヤをスリップさせたりコーナーで蛇行しながらも、最後までタレずに10人中2番目の好タイムで予選を無事通過しました。
 18日午後に行なわれた準決勝は、タイム選抜ではなく、2組の対戦のうち、それぞれの勝者が決勝に進み、敗者が3・4位決定戦にまわる勝ち上がり方式です。1組目は予選1位の斎藤綾選手(順天堂大学)が、予選4位の杉村久美選手(ラバネロ)を下し、まず決勝進出を決定。2組目、パリンヤは、この種目を得意とする木村春恵選手(八戸大学)との対戦となりました。中盤、パリンヤは木村選手にやや差をつけられるも、その後、必死に盛り返し、ゴールを告げる空砲はほぼ同時に鳴りました。でも、残念ながら0.7秒差で敗退、パリンヤは翌日の3・4位決定戦で、表彰台に上る可能性に賭けることになりました。タイムでは1組目勝者の斎藤選手を上回っていただけに、パリンヤ、悔しさもひとしおですが、個人追い抜きは純粋なタイムトライアルと違い、本来はその名の通り対戦相手を追い抜くことで勝敗を決するレースですから、仕方ありません。
 翌19日、前日とはうって変わった五月晴れのもと、パリンヤ、気を取り直してレースに臨みます。相手の杉村選手は敵の走りを窺いつつ、後半ググっと伸ばしてくるレース巧者。昨年の全日本実業団女子個抜き決勝では、パリンヤ、力の差を思い知らされて杉村選手に敗退していますが、この日のパリンヤは違いました。決勝の二人をも上回る、今大会の女子個抜きベストタイムで見事勝利、3位表彰台をゲットしました。
 余分なモノを取り去ったのが良かったのか?(詳しくは掲示板、パリンヤ本人の告白や監督の報告参照)、はたまたクライマー養成ローラー台「乗鞍くん」(チクリ・キヨ・ミヤザワ店内で、実物をご覧になれます)による特訓が、トラック競技にも効果をあげたのか? とにかくパリンヤ上り調子です。

■女子3000m個人追い抜き競走

予選成績

 
順位 名前 所属 タイム

1位
 斎藤  綾  順天堂大学  4分12秒807

2位
 村中恵美子  千葉医専・キヨ  4分15秒226

3位
 木村 春恵  八戸大学  4分16秒317

4位
 杉村 久美  ラバネロ  4分17秒201

5位
 許斐真由子  鹿屋体育大学  4分21秒270

6位
 中村 珠藻  順天堂大学  4分22秒499

7位
 小野山恵美  C.Sウメザワ  4分24秒270

8位
 谷村祐美子  大阪体育大学  4分29秒125

9位
 小野 翔子  明治大学  4分31秒743

10位
 小谷 翠  (株)ワーク・センター  4分35秒551

1/2決勝成績 第1組

 
順位 名前 所属 タイム

 斎藤  綾  順天堂大学  4分13秒018

 杉村 久美  ラバネロ  4分18秒568

 

第2組

 
順位 名前 所属 タイム

 木村 春恵  八戸大学  4分10秒709

 村中恵美子  千葉医専・キヨ  4分11秒424

 

3・4位決定戦

 
順位 名前 所属 タイム

3位
 村中恵美子  千葉医専・キヨ  4分10秒481

4位
 杉村 久美  ラバネロ  4分22秒429

 

決勝

 
順位 名前 所属 タイム

1位
 斎藤  綾  順天堂大学  4分12秒293

2位
 木村 春恵  八戸大学  4分14秒010

 


■レースの朝は入念なウォームアップから。すでに笑顔は消えてマス

■雨上がりのトラックはバッド・コンディション。ライバルたちのタイムをチェック

■パリンヤ、ちょー緊張の瞬間

■1000m猛ダッシュの小野山選手だったが…

■監督のゲキが飛ぶ! パリンヤ、ツバがかかるのがイヤでさらに加速?!

■予選は手応え充分、笑顔で終了

■スタート直後に落車という不運に見舞われた順天堂大の中村選手

■順天堂大の斎藤選手が予選を1位で通過

■あくまで仮眠中です。監督がここで暮らしているわけではありません

■ラバネロの杉村選手、予選を突破するも本調子ではなかった模様

■パリンヤ、決勝進出を目指しスタートダッシュ! しかし…

■八戸大・木村選手の走りに一歩及ばず

■大会2日目は前日とうって変わった五月晴れ

■美しき哉、モミモミモミと、師弟愛(字余り)

■パリンヤ、自己ベストに迫る会心の走りで、3位入賞!

■終始安定したタイムをマークして優勝した斎藤選手

■「ごんヂグジョー」という悔しさはあるものの、表彰台に登ればやっぱり笑顔

■メダルと賞状は日頃の皆さまの応援のおかげ(感謝、感謝)。左はサイスポのレースレポートでおなじみ、藤野むつみさん(この日はオフィシャル)

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